包丁ってすごくたくさんメーカーやブランドがありますよね。
一目見ただけではどれくらい使いものになるのかわかりません。
でも、「値段が安いからしかたがない!」とかではなく「失敗したくない!」じゃないですか?
そんな時に重視するのは信頼できる情報なのです。
このページでは現役料理人の私が仕事をする中で見てきた・聞いてきた堺孝行についてお話します。
堺孝行とは
三大刃物の生産地は岐阜県関市・大阪府堺市・新潟県燕三条があります。
堺孝行はこのうちの大阪府堺市にある青木刃物製作所のブランドです。
青木刃物製作所では伝統工芸士の資格を持つ鍛冶師と刃研ぎ師が腕を振るっています
資格を持つ専門の職人が手を加えることにより非常に上質な包丁を作りだすことができるのです。
堺孝行の評判
私は堺孝行の包丁が飲食店の店の包丁として使われているのをよく見かけます。
これは堺孝行というブランドが”良い包丁”として飲食業界で広く認識されているからです。
”良い包丁”といっても解釈は色々ありますが、この場合”これを置いておけば問題ない”。
という”仕事で通用するレベルのコスパの良い包丁”という意味です。
これが飲食業界の堺孝行の評判であり評価と言えます。
以前、新しくOPENした飲食店へ仕事で入店した際に堺孝行が用意されていました。
私が「なぜ堺孝行にしたのか?」をオーナーに尋ねたところ、「これでいいかなと思って」と、特にこだわった訳では無いようでした。
私のような”料理人”は包丁にこだわりを持っている人が多いです。
しかし、飲食店を経営する人はこだわりよりもコスパを重視することの方が多いのは間違いありません。
そういった考えを持った人が包丁を買う時に思い浮かぶ銘柄ということなのです。
堺孝行の口コミなどをチェックしているとまれに評価の低い口コミを目にすることがあります。手元に届いた商品の品質が見た目で悪いというような内容の口コミです。
かなりの数を生産しているメーカーですし不良品もあると思います。
そういった場合、メーカーである青木刃物製作所は歴史も古く知名度の高いメーカーなので気になる点などがあればすぐに問い合わせて見ることをおすすめします。
選び方
堺孝行ブランドはかなり種類が多いので順に絞り込んで選びたいです。
まずはタイプを選びその中から価格と材質などで好きなシリーズを決めます。
その後、種類やサイズを決めるのが良いでしょう。
タイプ
和・洋・中・製菓・蕎麦・特殊
堺孝行では以上のタイプがあります。
一般的な三徳包丁や牛刀を選ぶなら”洋”を選択。
出刃包丁や柳刃包丁を選ぶなら和を選択します。
刃材の種類
刃材はいろいろあるのですがハガネ系はサビやすく、ステンレス系はサビにくいです。
画像ではわかりませんし重要なのでチェックしてくださいね。
グレードにもよるのですが一般的にはステンレス系の方が値段が高い傾向にあります。
堺孝行で使用されている刃材を表にまとめました。
刃材名 | |
ハガネ系 | 青二鋼・白一鋼・白二鋼・白三鋼・安来鋼・SK鋼・青鋼 |
ステンレス系 | VG-10・銀三鋼・スウェーデン鋼・特殊鋼・モリブデン特殊鋼・ ステンレス特殊鋼・ポーラーウッデホルム特殊鋼・スウェーデン特殊鋼・ ハイカーボンステンレス鋼・モリブデン鋼・ステンレス鋼 |
総評
青木刃物製作所はクオリティーの高い生産体制が整っていて本物を作り出せるメーカー。
製品の種類の多さからさまざまなニーズに対応できて頼れるブランドと言えます。
見た目ではわからない”確かな品質”を備えた包丁。
そういった点が飲食業界で”信頼できる情報”として伝わっているのです。
堺孝行のおすすめ5選
商品数の多い堺孝行ブランドから人気の製品を紹介します。
堺孝行ブランドは高級から中級までの商品を扱うメーカーです。
Grand Chef (グランドシェフ)
グランドシェフシリーズは堺孝行洋包丁の中で最高峰のシリーズです。
刃材にポーラーウッデホルム特殊鋼を使用、この刃材はステンレス系の中でも最高ランクの品質で切れ味よくサビにも強い素材。
グランドシェフタイプ1・2は柄にデザートアイアンウッドを使用していて高級感溢れるデザインです。
グランドシェフとグランドシェフSPは柄がPOM樹脂で切れ味は変らずリーズナブルな価格に抑えられていて柄にこだわらないのであればおすすめです。。
和風のシルエットが好みなら”和式”がおすすめ、切れ味そのままに柄を和風の高級素材である朴の木・口金に水牛の角を使用し高級な和風デザインに仕上がっています。
料理人のあいだでも良く切れると話題にあがる包丁です。
サイズや種類はリンク先で検索できます。
溝のあるグランドシェフSPはこちら
槌目ダマスカス VG10割込み 33層
このモデルは槌目(叩いた跡を残す装飾)とダマスカス(刃紋のような模様)が入っています。
2種類の装飾が入っている包丁は珍しく人気が高いです。
使用されている刃材のVG10は切れ味がよくおすすめのステンレス系刃材。
ダマスカスとVG10の組み合わせの包丁が多い中で、その一歩上を行くモデルと言えます。
特に、こういう刀身の装飾は刃物の所有欲を高めるので好きな方にはおすすめです。
確実に他との違いを出す事ができます。
飲食業の経営者的にはこのような装飾は必要ないので店用の包丁でダマスカスの包丁を見たことはありません。
しかし、ダマスカスの包丁を持っている料理人はたくさんいます。
このように個人の所有であればプロにも人気が高いです。
こちらは人気の剣型、背のカットが違いますが切り方などは変わりません。
リンク先で他の画像も確認できます。
TUS STEEL
TUSは刃材にハイカーボンステンレス鋼を使用した品です。
技術の高い職人の手により正確な温度で熱処理を施し切れ味を鋭く仕上げています。
柄に合板を使いやや軽量にできていますので取り回しがしやすく家庭でも使いやすいです。
サイズや種類はリンク先で検索できます。
INOXサバキ東型(イノックス)
サバキは肉や魚から骨をはずすのに便利な包丁です。
東型は関東型ということであご(柄に近い刃の角の部分)があります。(西型はあごがなくまっすぐ)
どうしても荒い使い方になってしまう種類の包丁は気がね無く使えるイノックスが便利。
イノックスとはステンレスのヨーロッパでの呼びかたです。
刃材にはモリブデン特殊鋼を使用しサビにくくよく切れます。
もちろんVG10 などを使っている上位モデルの方がよく切れるのは間違いないです。
しかし、特にこだわりが無ければ値段と実用的な切れ味を備えたイノックスは賢い選択でしょう。
飲食店の”店包丁”はこのくらいのランクの物を使っていることが多いです。
シェフ和包丁
シェフ和包丁シリーズの正夫(しょうぶ:柳刃のこと)は刃材にステンレス系の高級素材”銀三鋼”を使用しています。
これによりハガネに負けない切れ味を実現しつつもサビにくい優れた和包丁です。
デメリットとして値段が高いのですが、それに見合った性能を秘めています。