包丁は使っていると切れなくなるもの。
研ぐしかないのはわかっているんだけど自信が無い。
「失敗無く簡単に包丁を研ぐ方法はないかな?」
そんな悩みがあるあなたの為に、このページでは現役料理人である私が簡単で失敗しない包丁の研ぎ方を解説します。
包丁を研ぐとは?
包丁を研ぐとは潰れた刃先(先端)の部分を鋭く直すということです。
通常包丁を使っていると刃先(先端)が潰れて切れなくなってきます。
”包丁を研ぐ”とはこの潰れた刃先を”尖った状態にもどす”ということです。
その”もどし方”が”研ぎ方”ということになります。
”研ぎ方”というのは以下の4つの方法。
- 砥石で研ぐ
- シャープナーで研ぐ
- 研ぎ棒で研ぐ
- その他
ここから4つの方法をそれぞれ簡単に説明します。
1砥石で研ぐ
砥石を使って包丁を研ぐのはハードルの高い方法と認識している方が多いです。
ポイントを押さえて作業すれば意外と簡単に切れ味を取り戻すことができます。
砥石は中砥(1000番くらいの物)が1つあればOKです。
研ぎ台は砥石とセットになっている物もあります。
無ければ濡れ布巾などで砥石がずれないようにしましょう。
砥石をセットし右手で斜め(だいたい45度くらい)に包丁を構え、刃先が砥石にあたるように15度ほど包丁の峰を持ち上げます。(左利きであれば反対でかまいません。)
刃渡り16cmほどの三徳包丁であれば手元付近・中腹・先端付近と片面を3~5箇所に分けて片側から研ぎます。
左手の指で研ぎたい部分を押さえて刃先を砥石にあて前に滑らせて研ぎます。
刃全体を順に同じように研いでいきましょう。
全体が研げたら、親指で刃をなぞり”かえり”が出ているかをチェックします。
”かえり”とは刃先を研いでいくと研いだ面の反対に金属のバリのようなものが出ます、これがかえりです。
”かえり”は刃先の先端が研げた時にしか出ないのでこれが出ているかチェックします。
右側から始めたら右側に、左側から始めたら左側にカエリが出ていればOK。
包丁の根本(あご)から先端(切っ先)までカエリが出ていなければもう一度同じように研ぎます。
出ている所と出ていない所がある場合ももう一度研ぎましょう。
難しいのは包丁の角度を同じに保つことです。
うまく研げるようになるまでの補助、最初から失敗しないためのガイドとしておすすめなのがこちら。
包丁研ぎについてもっと詳しくはこちら。
砥石を使って包丁を研ぐ両刃編
砥石を使って包丁を研ぐ片刃編
砥石が欲しい方はこちら
2シャープナーで研ぐ
一般的には5~6回包丁を引いて仕様するものが多いのですが、水を入れるものや前後に往復するもの、研ぎ口が数か所あるものなどさまざまです。
どれも基本的に目の粗い砥石(荒砥)で刃先を研ぐことにより刃先を荒らして食材への食いつきをよくしています。
シャープナーで研ぐシャープナー(簡易研ぎ器)は商品ごとに使い方がいろいろとちがうので商品の説明署に従って研いで下さい。
(両刃用・片刃用があるので注意)
連続してシャープナーを使用し続けると刃先がボロボロになり回復できなくなります。
シャープナーで回復できない状態になった包丁は砥石で刃先を整形し直すほかありません。
3研ぎ棒を使う
研ぎ棒は包丁の刃先を角度をつけて滑らせることにより刃先を成型しなおしています。
しかし、砥石とは違い簡易的な整形のため”よれを直す”程度にすぎません。
研ぎ棒で整形された刃先は弱い為、すぐにまたよれてしまいます。
連続して使用することにより切れ味がもどらなくなるので、砥石での研ぎ直しが必要となるのです。
研ぎ棒のあて方
ここで紹介した”3研ぎ棒を使う”と次に紹介する”4お皿を使うは”刃先にあてる角度に気を付ける必要があります。
「難しい」とか「コツがいる」などという言葉を目にすることがありますが。
15度でないとダメというわけではありません、”刃の先端にあたればいいだけ”です。
あたった感覚がなければ少し角度を変えてやってみましょう。
研ぎ棒はこちらで紹介しています。
4お皿を使う
お皿の裏の台(足)の部分を使って刃先のよれを直します。
陶磁器は硬度がある程度あり、身近な物の中では砥石に近いので応急処置として使います。
重要なのは釉薬の付いていない(ツルツルにコーティングされていない)素焼きの部分を使うことです。
使い方は研ぎ棒と同じように角度を付けてこすり刃先の”よれを直し”ます。
研ぎ棒よりも”雑なこと”をしているのですから当然刃の持ちも良くありません。
すぐに劣化してしまうのであくまでも応急処置として考えるのがいいでしょう。
ツルツルの部分で研ぐとお皿に傷がつきますし刃先もなおりません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
包丁の切れ味は使っていれば必ず落ちます。
その時、どのようにして研ぐのかをまとめました。
どれか1つの方法にするのではなく、その場でやりやすい方法を試していくのがおすすめです。
最終的に砥石での研ぎ直しが必要になった場合。
自信がなければメーカーの”研ぎ直しサービス”などを利用すれば切れるようになって戻ってきます。
あまり難しく考えずに研いでみてくださいね。